ランナーへのアドバイス

 ランニング障害を防止し、より安全なランニングを推奨するために、日本臨床スポーツ医学会は、「骨・関節のランニング障害に対しての提言」を発表しました(2002年)ので、ご紹介します。

ランニング障害(骨・関節・筋の障害)は走行距離が長くなるほど高率になります。
 一般的に障害を予防するためには平均の一日走行距離を中学生では5~10km(月間200 km)、高校生では15km(月間400 km)、大学・実業団で30km(月間700 km)に止めることが望ましい。
なお中高年ランナーでは加齢による運動器の退行性変性が存在し腰痛・膝痛が出現しやすいので、メディカルチェックを受けるとともに月間走行距離を200 km以内に止めることが望ましい。
道路は路肩に向かい傾いているので長距離によるランニング障害を予防するためには同じ側だけ走ることを避けましょう。
 短距離の曲走路の走行も同様で、高速走行(7m/秒以上)の練習はなるべく暖やかな曲走路(外側のレーンなど)で行うことが望ましい。
足の機能を補えるシューズを選ぶ事も障害予防のポイントです。
 選択にあたっては足の形に合った、底が厚めで踵の作りがしっかりしたのを選び、靴の踵は踏みつけてはいけません。
先端を指で押すと足の親指の付け根で曲がるようなシューズがよい。また普段から磨耗の補修は早めにし、走行距離500 kmを目処に交換する事が望まれます。
疲労骨折に対して
 下肢疲労骨折は男女とも高校生に多く、特に運動環境が変化する高校1年時に多発します。脛や足の痛みが続く場合は早期に整形外科を受診することが望ましい。
疲労骨折
オスグッド病に対して
 オスグッド病の発症は身長の伸びと関連があります。
成長のピーク(男子11~12歳、女子10~11歳)の前後には発症の危険が高いので、患部の疼痛に留意し、大腿四頭筋の緊張をゆるめ、時によってはジャンプや切り返し動作を伴うスポーツ活動を制限する必要があります。
オスグッド病