こんなに違う日米の医学研究費
長島整形外科 長島公之
国の医学研究への投資額
米国 | 1兆円 |
日本 | 1千億円 |
これでは、同じレベルの研究開発が出来るはずがありません。
高齢化社会のライフライン
医学・生命科学研究においては、戦後米国が圧倒的に世界をリードしてきた。 米国の製薬企業が強い力を保っている背景には、国が基礎研究に力を注ぎ、NIH (国立衛生研究所)などを中心に大規模な研究を推進しているということもある。 国の医学研究への投資額が、米国では1兆円位であるのに対し、日本では約1千億 円。単純比較で10倍余りに及んでいる。ただ、米国の医療はこうした「光」の部 分の反面、数多くの無保険者の存在が医療費の高騰を招いているという「影」の 部分もまた大きい。
医学・生命科学研究予算の流れ及び予算規模の日米比較
【米国】 | 主要なもの(1993年度予算) | 【日本】 | 主要なもの(1995年度予算) |
NIHから外部への補助金 | 8520億円 | 科学研究費補助金(文部省→大学等) | 924億円 |
そのうち大学 | 6260億円 | そのうち医学・生命科学関係 | 430億円 |
NIH内部の研究予算 | 1810億円 | 厚生省科学技術予算(厚生省→大学、国立研究所) | 710億円 |
計 | 1兆0330億円 | 計 1140億円 |
米国の医療(医学・生命科学)を中心とする研究開発政策
研究開発施策全般
莫大な基礎研究投資プラス技術移転政策
国家目標とのリンク(「国家利益における科学」報告など)
医療分野における特記事項
特に医療分野を重視
「医学・生命科学研究は経済成長のengine」との認識
政府の研究開発予算全体に占める医療分野の割合(%)
米国(93年) | 日本(92年) |
15.0% | 2.9% |
研究開発予算全体に占める政府の割合
米国(95年) | 日本(94年) |
35.5% | 21.5% |