関節リウマチについて
リウマチ性疾患は2000種類にも及ぶ疾患群ですが、皆さんが通常リウマチと考えておられる病気は、関節リウマチと呼ばれるものです。 この病気に罹患しますと、徐々に関節に痛みや変形が生じてきます。
病因および疫学
関節リウマチの病因(病気の原因)はよく分かっていませんが、免疫(病気を免れる力)の異常があることが分かかっています。何らかの遺伝素因に外来刺激(ウィルス感染等)が加わり発症するものと考えられています。関節リウマチは女性に好発する病気で(男:女 1:3)、有病率は日本での疫学調査では0.4~0.5%程度(つまり200人に1人程度)です。
症状
関節リウマチの症状は、主に関節の中にある滑膜という組織が腫れてくる事により、生じます(図1)。早期の症状は朝のこわばり(起床時に手足の関節が動かしにくい感じ)と関節の痛みや腫れです。朝のこわばりは最低15分、多くは30分以上持続します。
時には起床時の関節の痛みと感じられる方もおられますので注意が必要です。関節の腫れは体重のかかる関節のみならず、体重のかからない関節(非荷重関節)が左右両側とも出現することが特徴です。
症状が進行すると関節の変形が生じます。一旦変形が生じますと、関節の機能は著しく低下することが多く、変形を予防するような早期の治療開始が望まれます。
図1 関節内における滑膜の増生(パンヌス)(参天製薬の御厚意による)
治療
関節、リウマチの原因をとりのぞく根治療法は今のところ期待できません。 リウマチの治療は早期においては薬物療法により関節の痛みや腫れを抑え、関節の変形を予防することが主眼となります。
関節破壊が生じた場合は、関節の働きを再建するために手術療法が必要となります。