むち打ち症
いわゆる“むち打ち症”は、追突や衝突などの交通事故によってヘッドレストが整備されていない時代に首がむちのようにしなったために起こった頚部外傷の局所症状の総称です。
近年ヘッドレストが標準装備されたことで “むち打ち症”と呼ばれることは劇的に減少したにも関わらず、医学的傷病名と混同して使用されることがあります。
受傷原因や外傷程度により症状はさまざまで、治療方法や期間は多岐にわたります。医学的な傷病名ではないので、外傷性頚部症候群(頚椎捻挫・頚部挫傷)、神経根症(頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症)、脊髄損傷など医師の専門的診断を受けることが必要です。
したがって、交通事故後にいわゆる“むち打ち症”が疑われる場合は神経学的所見を含む診察所見および病状によってレントゲン撮影やMRIなどの精査が可能であることから、整形外科医の診察を受けることをお勧めします。