その他の野球肘

 野球肘と呼ばれるものの中には、外側の障害のほかに、内側、後側、前側の障害があります。最も多く見られる内側骨端部(筋起始部)の障害は、投球動作によって同部に繰り返し加わる牽引力によって、炎症、骨端の閉鎖遅延、離開(リトルリーグ肘)を生じるものです。また前述のオスグッド(9ページ)病と同様に、骨端の一部が剥がれる(裂離する)場合があります。裂離した骨片は早期であれば癒合するが、進行すると癒合は期待できなくなります(この場合、手術が必要となることもあります)。
(写真)

野球肘
12歳、男性
外側(L)の障害(離断性骨軟骨炎)と
内側(M)の障害(裂離骨折)を併せて生じている.
反対側(健常側)と比較すると良く分かる

 

 肩や肘の痛みは、野球選手に多く見られるスポーツ障害です。

野球の投球動作の繰り返しにより起こる障害ですが、フォームの異常で起きることもあり、単に投げ過ぎとは限りません。
 野球にかかわらず投球肩、投球肘の治療で大切なことは、フォームの点検です。コーチと整形外科医の協力が大切です。