【誤った知識】膝の水を抜くと癖になる
膝の水(関節液)は抜くから貯まるのではありません。
関節液は関節の滑りを良くするとともに関節軟骨に栄養を与える粘っこい液体で、正常では関節軟骨表面を潤おすだけのわずかの量ですが、関節の中に炎症が起きると過剰に産出される結果、関節水腫となる(これを一般の方は「水が貯まった」という)のです。
ちょうど、鼻炎で鼻汁(鼻水)がたくさん出てくるのと似ています。鼻水を繰り返しかんでも出てくるように、水を抜いても抜いても貯まってくるのです。また、鼻水をかんだから出てくるのではないように、水を抜いたから貯まってくるのでもないのです。水が貯まらないようにするには、その原因を明らかにして治療することが大切なのです。
関節穿刺(水を抜くこと)をすることによって、関節水腫に伴う疼痛や可動域制限をとるだけでなく、穿刺した関節液の性状を検査することによって関節水腫の原因を診断するのに役立つのです。時には、貯まっているのは水ではなくて血液だったり膿だったりすることもあります。
このように、症状の改善と診断のために関節穿刺することが必要なのです。