その他の膝痛

 膝蓋骨と大腿骨の間の障害(膝蓋大腿関節障害、ランナー膝などと呼ばれる)をはじめ、膝痛をきたす疾患は数多くあります。腸脛靭帯炎、膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)、鵞足炎などの慢性の炎症もよく見られるスポーツ障害です。半月板に傷がついていることもあります。さらには、次の項で述べる離断性骨軟骨炎などは重大な障害です。なかなか痛みがとれない時は、整形外科医にご相談下さい。

 

離断性骨軟骨炎(野球肘など)

 関節の面に強い圧迫力と擦れの力が繰り返し加わると、一部の関節軟骨とその下層の骨が周囲の骨から分離されます。進むと関節内に遊離してしまいます。野球肘(外側の障害)がその代表です(図)

初期(透亮像)

進行期(離断像)

終末期(遊離体像)

 初期であれば治療により癒合して全く元通りになりますが、進行期や終末期になると永続的な変形や機能障害を残し、関節の可動域制限や痛みのため野球への望みを絶たれるだけでなく、変形性関節症に進展して日常生活にも支障をきたすようになります。定期的な検診が望ましいが、それが出来ないならば、僅かの異常であっても早期に整形外科医を受診することが重要です。離断性骨軟骨炎は、肘関節のほか、膝関節や足関節など他の関節にも生じます。